猪崎鼻の堆積構造
猪崎鼻は日向灘に突き出した小さな岬で、ここには、今からおよそ4000〜2200万年前に海溝から大陸斜面にかけての深海域に堆積し、海洋プレートの沈み込みに伴って付加された日南層群とよぼれる砂岩泥岩互層が露出する。猪崎鼻では、混濁流といわれる地震などをきっかけに海底を流れ下る高密度の流れから堆積した地層に特徴的な堆積構造が典型的に発達するほか、深海底での堆積環境を示す様々な生痕化石や、海底地滑りに伴うスランプ構造もみられる。 堆積構造の研究は、地質学そのものの歴史と同じくらい古くから行われてきた分野であり、堆積岩は地史を編む際に欠かせない重要な情報源である。猪崎鼻の多種多様な堆積構造・生痕化石は、このような日本列島の生い立ち(地史)に関する重要な情報である堆積構造が典型的に発達することに加え、堆積時の古環境や堆積の仕組みを知る場所として大変貴重な場所である。特に、砂岩層の底面にみられるフルートキャストの規模と保存の良さ、美しさは他に類をみない。
項目 | 詳細 |
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文化財指定等 | 国指定 天然記念物 |
指定年月日 | 平成26年 3月 18日 |
所在地(官報・文書等の記載) | 大字下方字小谷5117番、大字隈谷字飯崎甲2323番、大字隈谷字飯崎甲2324番、大字隈谷字飯崎甲2243番1のうち実測29483.37平方メートル、大字下方字小谷5090番 |
年代 | 4000〜2200万年前 |
所有者/管理者 | 日南市 |
関連文化財群 | 外浦・目井津・大堂津と町並み |
更新日:2023年12月01日