堀川運河護岸

堀川運河護岸は、明治時代から大正、昭和初期にかけて、堀川運河の両岸が飫肥杉(弁甲材)の貯木場となったことにより、護岸の補強のために、各土地の所有者である河野家や川越家などの木材業者が石積みで築造した。また、堀川運河からの舟運が主な交通機関であったことから、運河沿いの各所に石段が設けられた他、飫肥杉を揚げ降ろしするために斜路と呼ばれる傾斜スロープも各所に設置された。
石材は日南海岸の砂岩を、外面の一面を長方形のほぼ同一規格になるように加工して、間知石積みの谷積みで積んでいる。
堀川運河護岸は、江戸時代から昭和30年代まで、日本国内のみならず、朝鮮半島や台湾、中国における木造船の主な船材として使われた飫肥杉の貯木場の繁栄を物語る遺産であり、堀川運河と油津の町並みの有機的な繋がりを現代に伝えている。
広渡川と油津港を結ぶ油津界隅をほぼ南北に貴流する運河の石積護岸。壁面に排水口を穿つ砂岩の谷積護岸で、物揚用斜路や一部街路線形に応じて配された石段を付す。飫肥杉による木材業の繁栄に伴い、陸路との有機的な繋がりに留意して整備された港湾施設。
項目 | 詳細 |
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種類 | 石積護岸 |
文化財指定等 | 国登録有形文化財 |
指定年月日 | 2004年2月17日 |
所在地(官報・文書等の記載) | 日南市春日町・油津・材木町・園田・西町地先 |
近隣集落・小字 | 春日町・材木町・園田・鼻立・瀬戸口 |
年代 | 近世 |
関連文化財群 | 港町油津と堀川運河 |
保存活用区域内 | 港町油津と堀川運河 |
出典 | 日南市文化財 S-505 |
更新日:2023年12月01日